◆『信長の城』千田嘉博 著(岩波新書・新赤版 1406)◆
戦国時代の覇者・織田信長が築き、利用した「城」を通して、その革新的な戦略と政治手腕を読み解く一冊。
本書では、安土城に象徴されるような信長の城郭建築が、単なる軍事拠点ではなく、支配の象徴であり、天下統一戦略の一環であったことを明らかにしています。
著者の千田嘉博氏は、城郭考古学の第一人者。
本書では発掘調査や最新の研究成果をもとに、信長の築城術、城の構造、デザイン、そしてそれが当時の人々に与えた心理的効果までをわかりやすく解説。
また、岐阜城、安土城、小牧山城など、信長の足跡をたどりながら、城に込められた野望と思想を浮き彫りにしていきます。
「信長の城」を通じて見えてくるのは、単なる戦国大名ではなく、近世への扉を開こうとした革新者の姿。
歴史ファンだけでなく、城に興味がある方にも強くおすすめできる、刺激に満ちた一冊です。
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